校長の言葉

聖ドミニコ学院中学校高等学校

校長 柚木洋子

彼らが苦悩の中から神に助けを求めると、
あらしは静められ、海はなぎとなった。
神は彼らを目ざす港に導かれ、
彼らは静かな海を渡った。
(詩編107・23+24、28a+29+30)

この詩編は、海を行く船乗りに対する神の守りと救いが歌われます。
大海原であらしにあった者はどこにもすがるすべはないのです。ですが、その時ほど、人は人間を超えた存在によりすがり、その助けに感謝を捧げることはないでしょう。

青年期をすごす中学生高校生の皆さんも、人生という大海原を必死で漕ごうとなさっています。どこへ向かって?

神の似姿として創られた人間一人ひとりの中には、生まれながらにして、真・善・美・聖への傾きと憧れがあると言われます。学校は、単に知識を詰めこむ、進学のための通過点であってはなりません。内なる良心、神の声に聴き従う意志の力を自分との闘いを通して培い、従った後の喜びと満足感を味わう人格形成の場であってほしいと思います。

5月の最終日は新入生にとって最初の宗教行事であるマリア祭が行われました。聖書から聖母マリアの神聖さ・清純さ・思いやりと謙遜を学び、自分自身、感謝の気持ちを忘れず、目標に向かって努力したい等の感想が寄せられました。高校三年生は一人ひとりが聖母像にバラを献花し、全員で心を一つにしてロザリオの祈りを捧げました。今年は教皇フランシスコの呼びかけに従って行われた長崎の被爆マリアの浦上天主堂から出発した世界各地での新型コロナウィルス感染症の終息のためのロザリオ・マラソンの祈りの輪に入りました。

現代は、人類の舟が新型コロナ・パンデミックと気候変動という嵐に揺さぶられています。しかし、平和と希望という羅針盤を手に、他者を大切にするという舵をしっかりと握り、海の星(神の救いの業に参与する方、マリアの意味)に導かれて、晴れ渡った地平を目指して前進しましょう。